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大阪地方裁判所 平成6年(わ)2120号 判決 1995年3月28日

本店所在地

大阪市東成区深江北二丁目六番九号

キリヤ化学株式会社

右代表者代表取締役

隅田峰子

本籍

大阪市中央区内本町一丁目一二番地

住居

大阪府吹田市青山台三丁目四一番四号

会社役員

隅田博

昭和一九年一〇月一五日生

主文

被告人キリヤ化学株式会社を罰金七〇〇〇万円に、被告人隅田博を懲役二年に各処する。

被告人隅田博に対し、この裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予する。

理由

(犯罪事実)

被告人キリヤ化学株式会社(以下「被告会社」という。)は、資本金一八〇〇万円で、大阪市中央区南船場二丁目二番一一号に本店を置き(平成六年九月一日、本店所在地を大阪市東成区深江北二丁目六番九号に変更。)、食品添加物等の製造加工販売業を営むもの、被告人隅田博(以下被告人という。)は、昭和四五年ころから平成三年一二月一八日までは被告会社の代表取締役として、代表取締役を辞任後も引き続き被告会社の実質的代表者として業務全般を統括しているものであるが、被告人は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、平成四年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度における実際の所得金額が、別紙1の修正損益計算書記載のとおり、九億九一五三万二五九七円で、これに対する法人税額が、別紙2の税額計算書記載のとおり、三億七〇八九万八五〇〇円であるにもかかわらず、雑収入の一部を除外するという不正の行為により、その所得の一部を秘匿した上、平成五年三月一日、大阪市中央区谷町七丁目五番二三号所在の所轄南税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が、別紙1の修正損益計算書記載のとおり、一億四八〇二万六六八二円で、これに対する法人税額が、別紙2記載のとおり、五四五八万三七〇〇円である旨の内容虚偽の法人税確定申告書を提出して、そのまま法定の納期限を徒過させ、もって不正の行為により、別紙2の税額計算書記載のとおり、右事業年度の法人税三億一六三一万四八〇〇円を免れた。

(証拠)

一  被告人の当公判廷における供述

一  被告人の検察官に対する各供述調書及び大蔵事務官に対する各質問てん末書

一  大蔵事務官作成の各査察官調査書

一  小橋雅夫の大蔵事務官に対する各質問てん末書

一  葉坂隆子、隅田峰子の検察官に対する各供述調書

一  大蔵事務官作成の証明書(平成四年一二月期の法人税確定申告に関するもの)

一  検察事務官作成の電話聴取書

一  登記官作成の法人登記簿謄本

一  被告会社作成の証明書

(法令の適用)

被告人の判示所為は、法人税法一五九条一項に該当するので、所定刑中懲役刑を選択し、その所定刑期の範囲内で被告人を懲役二年に処し、情状により同法二五条一項を適用してこの裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予する。

さらに、被告人の判示所為は、被告会社の業務に関してなされたものであるから、被告会社については、法人税法一六四条一項により同法一五九条一項所定の罰金刑に処すべきところ、情状により、同条二項を適用して、右の罰金額はその免れた法人税の額以下とし、その金額の範囲内で被告会社を罰金七〇〇〇万円に処することとする。

よって、主文のとおり判決する。

(出席検察官) 室田源太郎

(出席弁護人) 谷宜憲

(裁判官 田中正人)

別紙1 修正損益計算書

別紙2 税額計算書

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